イギリスに住んでいたころ、
カフェやティールームで食べたスイーツは、
どれも驚くほど甘くて、
最初は感動したのに、
だんだん完食できなくなっていきました。
アフタヌーンティーセットも、
途中からは渋い紅茶で流し込むように食べていて、
それがだんだん「苦しいな」と感じるように。
でも、そのとき感じた違和感が、
今のお菓子作りの原点になっています。
日本で暮らす
私たちの体に寄り添うように、
甘さをかなり控えめに。
でも、それだけではなくて、
素材そのものの香りや味が
しっかりと感じられるように。
砂糖が少ないと膨らみにくくなりますが、
だからこそ、素材の香りが引き立ち、
過度な量のフレーバーもいらなくなる。
そんなふうにして、
「身体に優しい、だけど少し特別なイギリス菓子」を
日々、丁寧に作っています。
シャレトンネで出会えるのは、
あの甘さを、私なりに解釈した、
新しいイギリスのお菓子たちです。
スコーンもパサパサではなくて、
外はサクッと、中はふんわりして食感があったり。
「主役の一品」として出したいから。
こちらは、
CanterburyにあるTiny Tim’s Tearoomさんにて。
イギリスで食べた大きすぎるスコーン。
(握り拳くらいありました…!)
実はここに履歴書を持っていきましたが、
門前払いだったのは良い思い出。
豪快だけど、意外と繊細な味。
クロテッドクリームとジャムの多さは
原産国ですので言わずもがな。
当店では紅茶と一緒に食べやすいサイズ感で、
でも“本場っぽさ”も感じてもらえるように
作っています。